若者のマイカー所有率は上昇!?「クルマ離れ」の真相
30年前の生活必需品。車が買われなくなった理由
■「クルマ離れ」ではなく、「意識のギャップ」
ひとつ言えるのは、クルマに求めるものが今の世代とクルマ好き世代(50代以上)と大きく違っていることだ。
同じくソニー損保の調査によると、2017年の新成人が欲しい第1位はトヨタ・プリウス。ご存知の通り、環境に配慮したスマートなクルマだ。それが1988年はソアラ、スープラ、日産スカイライン、究極はフェラーリetc.。みんな速くて強そうなクルマだった。つまり、クルマ好き世代が好きなマッチョな(大人が5人乗れて、女子受けがいい)クルマには今の世代はあまり興味がないのだ。
クルマにかける“情熱”も違った。昔は家賃とクルマのローンでクルマのローンの方が高いという熱愛家さえいたが、今ではそんな思考はほぼ全滅。売り手側も変わってきている。ディーラーでクルマの商談をしていると、セールスマンは「この判断、奥方がどう思いますかね?」とふた言めには聞いて来る。いまやクルマを買うときの主導権は、妻や彼女に委ねられているといっても過言ではない。BEST T!MES世代の30代~40代読者でも、クルマを買う動機が奥さんの「子供の送り迎え用に」という覚えがある方は多いのではないだろうか。
こうした意識のギャップが、クルマ大好き世代から見ると「クルマ離れ」に映るのだろう。